歯周病の仕組み

歯周病は歯の表面につくプラーク(食べかすや細菌)によっておこる、「歯肉・歯槽骨の病気」です。
歯肉の炎症による出血、腫れを特徴とする歯肉炎と、歯を支えている歯槽骨が破壊される歯周炎の2つに分けられます。
世間一般で言われている歯槽膿漏は、成人性歯周炎をいいます。

歯肉炎とは

歯に付着した歯垢・歯石により、歯肉に炎症が起こった状態です。
歯垢・歯石を除去する初期治療で完全に治癒します。
放置すると、歯周炎に発展してしまいます。

歯周炎とは

歯肉炎から発展した状態です。
歯垢・歯石が奥深くまで入り込み、歯を支える歯槽骨が炎症を起こします。
炎症によって徐々に骨が溶け始め、最終的には歯を支える力がなくなり、歯が抜けてしまいます。

歯周炎は大きく分けて「成人性歯周炎」と「若年性歯周炎」があります。
成人性歯周炎は比較的進行がゆっくりですが、若年性歯周炎は進行が早く、治療が難しいとされています。

歯周病の診断

歯周病の診断に使われるのが、歯周ポケット検査です。
プローブという器具を用いて行います。
プローブを歯周ポケット(歯と歯肉の間に存在する溝のこと)に入れ、その深さをミリ単位で測定します。
一般的に、歯周ポケットが2mm以上あると、歯周病とされています。

なぜ歯周病が怖いのか

最近よく、歯周病予防のためのデンタルグッズのCMが流れていますね。
CMで言われている通り、歯周病とは恐ろしい病気です。

歯周病の原因菌が歯肉組織まで侵入してくると、血管に入り込み血液を介入して全身に回ります。
その結果、身体の各部にまで、病気を発症させることになるのです。

歯周病との関連性が指摘されている病気

  • 脳:認知症・脳梗塞
  • 心臓:細菌性心内膜炎・心筋梗塞・狭心症
  • 血管:動脈硬化
  • 肺:肺炎
  • 子宮:低体重児出産・早産
  • 全身疾患:糖尿病・がん・骨粗しょう症など

歯周病予防のためには

歯周病予防のためには、毎日の歯磨きに加えて、定期健診がとても効果的です

  • 歯周病の早期発見による治療が可能になります。
  • 前回の症状と比較することで、的確な治療方法が提案できます。
  • 症状にあったブラッシング指導ができます。
  • ブラッシングだけで取れない歯石を取り除くことができます。
  • 歯周病は全身へ様々な影響を及ぼす怖い病気です。
    かかりつけ医を持つことで、他の病気との関係性をしっかり把振できます
    (高血圧の薬などある種の薬には歯周病を悪化させるものがあります)